韓国のお墓事情

これまで日本のお墓参りのマナーや法要・法事についてご紹介してきました。
世界に目を向けてみるとそれぞれの国で言語や文化、習慣など異なることが多いため、
お墓事情について、どのような違いがあるのか見ていきたいと思います。
今回はお隣の国、韓国のお墓事情についてご紹介いたいします。

韓国で昔から続く土葬

韓国では「儒教」が大切な教えとして広まり、この考え方から埋葬方法は「土葬」が主流で、
韓国ドラマでも目にすることが出来ますが、韓国のお墓は土饅頭型の土葬墓が一般的でした。
土饅頭とは山の斜面を少し切り開き穴を掘って土葬した後に土が丸く盛り上がることからこのような呼び方になっています。
また、土饅頭型のお墓の周りには緑の芝生が生い茂っていて自然と一体化したお墓になっています。
日本でも江戸時代までは庶民の一般的な埋葬方法とされていました。

土葬の問題

伝統的な土饅頭型のお墓ですが、維持管理がとても大変です。
山をひとつ購入するなどして、長年先祖から子孫代々と埋葬しているので
一族、一家でお手入れをしなくてはなりません。

さらに、韓国全土の面積は北海道より少し広いぐらいの大きさしかありません。
そのため墓地となる山の入手が困難になり、最近では共同墓地が開発されるようになりました。

 

現在の韓国のお墓

2000年に「葬事等に関する法律」が見直され、韓国の火葬率は1991年に17.8%だったものが
2005年には53%と過半数を占めるまでに増加しました。
この見直しは、火葬や納骨の普及が国や地方自治体の責務であることが明示されたというものでした。
火葬は有名人などが積極手に、自分の葬儀には火葬にするというキャンペーンも実施されました。

これにより、納骨堂や火葬場が次々に建設された結果、自然破壊が新たな問題として浮上したため
2009年に法律が再び改正され、樹木葬や海洋散骨などの自然葬制度が盛り込まれました。
土地不足の問題や人々の意識変化により今後は樹木葬公園などの設置計画が進んでおり、
また、日本と同じ石造りのお墓も急速に普及しているそうです。
韓国は白御影石の産地で、先祖を大切にする国柄のため日本よりも大きいサイズで墓石が作られます。

世界遺産のお墓 朝鮮王陵

韓国で2009年に世界遺産に登録されたお墓があります。それが朝鮮王陵です。
朝鮮王陵とは、朝鮮王朝519年間にわたる王と王妃のお墓が保存されている遺跡です。
朝鮮王陵の王と王妃、追尊された王と王妃の墓は合わせて42基あり、
このうち北朝にある2基を除いた40基が世界遺産に指定されています。

この王陵は儒教と風水にもとづいて作られ、
また王が一日で往来できる距離を基準にしているため
おとんどの王陵が首都漢陽郊外、今のソウル郊外に位置しています。

朝鮮王陵の空間構成

王陵は儒教の礼法が反映されており、一定の形式が保たれています。
大きく分けて3段階に区分されます。

俗世に分類される空間 「進入空間」

管理人が滞在し、祭祀の食事準備などが行われた賽室から王陵の入口であるホンサル門までを指します。
ホンサル門は聖域に入る境界のようなもので、屋根のない朱塗りの門があります。
この門の上部には、矢のような飾りと太極の模様があります。

生きる者と死す者を迎え祭祀を行う空間 「祭祀空間」

ホンサル門から祭祀が行われる建物(丁字閣)までは聖と俗とが交わる空間です。
門をくぐってすぐのところにぺウィと呼ばれる、
参列した王と祭祀をつかさどる官吏が礼を行う場所があります。

丁字閣はのぼりは霊魂と一緒に、くだりは参拝者だけになるため、
片側の階段のみ2つになっています。

死す者のための空間 「聖域空間」

丁字閣から王の墓にいたる空間は聖域として、平時は生者の出入りが制限されます。
王のお墓を最上部に、文官の像、武官の像の順番で並んでいます。

韓国の法事やお墓参り

韓国では、名節と呼ばれる旧正月と旧暦の8月15日(秋夕)の朝に、茶礼(チャレ)というものを行います。
茶礼は韓国の法事で、祭祀(チェサ)と呼ぶ人もいます。
これらは、収穫したての新米やお酒、果物など先祖に供えるものを前にお辞儀をする儀式です。
茶礼が終わると、家族全員で祭壇に供えた食べ物を分け合って食べ、その後お墓参りをするのが流れとなっています。
お墓参りの時には、必ずお供え物とお酒を持っていくのが韓国のマナーでお酒は清酒を準備します。
お酒は供えた後にその場で飲んだり、お墓にかけたりします。

おわりに

韓国では儒教を昔から大切にし、先祖・家族を大事にする土葬を行っていました。
韓国の火葬率が53%(2005年)ですが、日本ではほぼ100%とされています。
土葬をしてはいけないという法律はありませんが、土地が十分にある国ではないため、
離島や山間部の一部で土葬は見られるようです。
諸外国と比べても日本の火葬率は高くなっています。

また、日本と韓国はお墓やお墓参りの違いだけでなくお葬式の行いかたも違いがあるようです。

韓流ドラマや映画でもお墓参りやお葬式のシーンがでてくることもあるので
違いを見てみると、新たな発見があるかもしれません。

 

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