お墓にお供えする花の意味は?造花はダメ?

お墓参りの際にお花を持って行くのは、みなさん当たり前にしていることです。

しかし、なぜお墓にお花をお供えするのでしょうか。そして、誰にお供えしているのでしょうか?

ここでは、意外に知られていない、お墓参りでお花をお供えする意味について詳しく見ていきましょう。

 

 

■お墓にお花を供える由来とは

お釈迦さまが仏さまになる前、「儒童梵士(じゅどうぼんし)」と呼ばれていた前世でのこと。

燃灯仏(ねんとうぶつ)という仏さまに会うことができた儒童梵士は、何かご供養したいと考えました。たまたま近くで花を売っていたので、花売りから青蓮華(しょうれんげ)という花を買ってご供養したのが、仏壇やお墓にお花を供えることになった由来とされており、このことはお経にも記されています。

ちなみに燃灯仏は、この時に儒童梵士が将来悟りを開いて釈迦如来になることを予言した仏さまです。

 

 

■お墓にお花を供える意味は?

お墓にお花を供えるのには、神道の古い習慣や仏教の考え方などが合わさって、いくつかの意味があります。

 

仏教の修行「六波羅蜜」のひとつとして

花は、厳しい自然の中で耐えて育ち咲き誇ることから、六波羅蜜という6つの修行の中の「忍辱(にんにく)」を表していると言われています。この“耐え忍ぶ”という意味にちなみ、修行に耐えて精進することの誓いとしてお花を供えるという意味があります。
また、花を供え毎日水を替えることも修行の1つであるという考え方もあります。

美しい花をお供えして仏さまをお飾りするため

インドでは「華鬘けまん」と言って花を繋いで輪にしたものを相手の首にかけることで敬意を表す習慣や、「散華さんげ」という花を撒いて神々を祀る習慣があります。

これらが仏教に取り入れられて、仏さまの供養として花を撒くようになりました。さらにそれが中国に伝わって花を飾ることへ変化し、花をお供えする形で日本にも伝わってきました。

仏さまの周りの荘厳な飾りは、阿弥陀仏の浄土を表しています。お供えする花は、浄土の様子を表しているとも言われています。

人の心を穏やかにするため

供養する人の心を清めて仏堂に励む心を養い智慧を育てるという働きや、拝む人に信仰心を増進させる働きがあると言われています。

そのため花をお供えするときの向きは、私たちの方に向ける「向下相」が正しいお供えの仕方とされています。

命の儚さを知るため

美しい切り花がだんだんとしおれて枯れていく様子から、「命あるものはいつかは死んでゆく」という命の儚さや無常観、命の尊さを学ぶという意味があります。

お参りの縁となるため

お供えする花は枯れていくため、花を交換する必要があります。ご先祖さまにいつも美しい花を手向けたいという気持ちを持つことが、お参りをする縁になるという考え方です。

遺体を守るため

かつて土葬にしていた頃、墓地を動物が掘って荒らすのを防ぐために「樒(しきみ)」をお供えしたり一緒に埋めたりして、動物が来ないようにしていました。樒は仏前草とも呼ばれ、毒のある実が付く植物です。その他に、腐敗を防ぐために薬効のある花を添えられたとも言われています。

また、ご先祖さまの霊の依り代や目印として樒がお供えされていたと言われています。昔は榊や樒などの常緑の枝でしたが、やがて庭や畑で栽培された花に代わっていきました。

 

 

■お墓にお供えする花が造花だと失礼にあたる?

仏教的な意味を見て修行の1つなどと考えると、お墓に造花をお供えすることは本来の意味をなさないため、あまりふさわしくないのではと感じてしまいます。仏さまやご先祖さまに失礼では・・・と思うからこそ、造花にしてよいかどうか悩みます。

 

〇お供えの花が生花じゃなくてはならないという決まりはない

実はお供えの花は、生花でも造花でもどちらでも問題はありません。

現実的に考えた場合、お墓離れが増えてきている現代では、花を替えるために頻繁にお参りに行くということは難しい人が多くなっています。お墓から遠く離れたところに住んでいる、勤務している、などさまざまな事情もあるでしょう。

また夏の猛暑時などには、お供えした花があっという間にぐったりしてしまいます。金属製の花立に入った水は、数時間と経たずにお湯のようになり、生花はすぐにダメになり、腐って黒くなっていきます。さらにそのまま放置されると墓石や花立に貼り付いて、手入れが大変です。

他にも、水に蚊の幼虫であるボウフラが湧いてしまうということもあり、九州などの暑い地域では、造花をお供えするお墓が増えています。

頻繁にお墓参りに行けない、水を替えられないなどの理由で造花をお供えする人が増えている現代では、「お供えする」という気持ちを重視して、造花やプリザーブドフラワーなどを飾るケースが増えています。

 

〇人によっては受け入れられない

信心深い親戚や年配の方からは良く思われなかったり、手抜きだと言われてしまうこともあるでしょう。

本来は、花をお供えして手を合わせるという気持ちが大切で、お供えするのは、仏さまやご先祖さまを大切に想う心です。

しかし親族間の思わぬトラブルを防ぐためにも、本家や親戚の意見を聞きながら、普段は造花を飾り、法要やお盆の時だけ生花にするなど、周囲の意見に合わせて対応していくとよいでしょう。

 

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